よみがえった和箪笥

北の魔女

2009年11月11日 08:05



お金や物にあまり頓着していないので、いいものを長くとか
高価なものを買って一生の宝に、的な発想がまずない

けれどもこの箪笥には少々思い入れが・・・

ヨガ講師のみで生活していた頃の話。


20年前今借りているMビルの一階は電気屋さん。
ビルのオーナーの弟さんが社長さん。

電気店の事務員さんが急に辞めてしまい、
代わりの人が見つかるまでということで
空いている時間だけお手伝いしていたことがありました。

今、ヨガ教室とトリートメントルームとして借りている
スペース(Mビル2階)は当時は物置で、
こんなに広く使えるとは思えないほど物にあふれていました。
その中に、この桐の箪笥が眠っていたのです。

この箪笥は、道路を挟んだお宅の今は亡きおばあちゃんの嫁入り道具。
そこのお宅を壊す時、ご家族の方が社長さんに必要な物があったら持って行ってといわれ譲り受けたもの。
もう一つ、もっと高価な箪笥を次の日に運ぼうと思っていたら
もう家は壊されていたそうで、
かろうじてこの箪笥と座卓のみが救われました。

何年か二階の物置に眠っていた物を、
ある日社長さんがここに置くよりと魔女にくださったのです。

その当時小さなかやぶきの家に住んでいたので、
和の部屋にこの箪笥はしっくり。
上下を分けて、ローチェストとして重宝に使っていました。

その後引っ越した先の部屋にはマッチせず
二階へ押し上げ、物いれとして日の目も見ずにいたのです。


10年前、オイルトリートメントを始めるために部屋探しをしていたら
Mビルにたどり着きました(すでに電気店は移転)。
あの物置が二部屋に分けられ、
ヨガとマッサージをやってくれといわんばかりの部屋に
変わっていたのでした。

少ない軍資金の中から部屋をどうするか考えるのは楽しい作業。
ふと家で眠っている箪笥のことを思い出し、
以前から気になっていた
木を草木染にしてくれる某所にリフォームに出すことに。


オープンの4,5日前に箪笥が運び込まれた時は寒気がしました
10年近く家にあったものが裏側の傷みも修復され
生まれ変わって元の場所に戻ってきたのでした。
元々ここに置かれていたことなどすっかり忘れていたのです。


いつも不思議に思います。
おばあちゃんの嫁入り道具は、
嫁ぎ先の目の前に帰ってきたのです

何だか箪笥に心があるようでちょっぴり愛おしいのです

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